小学校

大学入学共通テストに「情報」を追加?

政府から、2024年度(今の小学6年生対象)以降の大学入学共通テストに、プログラミングなどの情報科目の導入を検討するとの発表がありました。IT人材育成に繋げるのが狙いのようです。2024年度以降の方針については、2021年度を目途に策定・公表予定です。

大学入学共通テストは、大学入試センター試験に代わり、2021年度入学者選抜より導入されます。

次期学習指導要領で高等学校の教科・科目が抜本的に見直されることから今回の発表に繋がったようです。

 

学校でプログラミングを教えること自体、個人的には賛成ですが、教えられる教師が確保できるのか心配しております。

一般社会にはプログラマーは多くおりますので、その人材を活用できれば良いなぁと考えています。

 

教員の再任用

10月5日の読売新聞に教員の再任用に関する記事が出ていました。

学校では、60歳で正規教員を定年退職した後、65歳までの間に再雇用される<再任用>の制度があります。

再任用であるからなのか、任期は1年で、給料も安く抑えられています。
したがって、学校にとっては使い勝手が良い教員ということになります。人選を間違えなければ、担任に加え、進路指導や生活指導もお願いできますし、長年の経験で保護者対応もこなせるでしょう。新卒の常勤講師を雇うよりもリスクは低くなります。

雇われる側にとっても、経験を活かすことができますし、長年学校現場で働いてきて、今更他の業界で働くのも難しいところがあるでしょう。

記事では、この再任用制度に頼っていては、将来を担う人材の育成や年齢のバランスを危惧しています。

20年、30年前に比べ、教員は社会的地位が下がっていると思いますし、ネット(SNS)の発達や保護者の権利意識の変化などでやりづらくなった面も多いと思います。

私は古いタイプの考え方なのか、「自分の子どもが悪いことをしたら、殴ってもらって結構」と思っていますが、ほかの子どもや同僚の先生の前ではそういう行為はご法度なのでしょう。

こんな状況下で教員を目指すのはどんな人なのだろうかと思ってしまいますが、それでも静岡大学教育学部はもちろん、常葉大学の教育学部も定員を満たしているのを見ると、一定数の志をもった人が存在するのだと思います。
この志をもった人が<折れない>ように育ってもらいたいと願っています。

新日鉄ソリューションズがプログラミング教育サイトを開設

新日鉄住金ソリューションズがプログラミング教育サイトのK3Tunnelを開設しました。

2020年度からは小学校でプログラミング教育が開始されますが、それに備え、プログラミング教室や
プログラミング学習教材などのリリースが増えてきているように感じます。

今回のK3Tunnelは、今までのものよりもやや上流にあたる部分を意識したもののようです。

<情報システム開発>全体で見ると、プログラミングは下流工程と呼ばれる部分に当たります。
現在もそうですが、この工程はアウトソース(中国やインドなど技術者に外注)することでまかなうことができます。

日本人は上流工程と呼ばれる部分(要件定義など)やその前段階のプレゼンなどを担当できるようにならないと、この分野で働くのは難しくなっていくと思います。

とはいえ、小学校でプログラミング教育を導入する目的は、物事を論理立てて、秩序正しく考える練習や身近な危機がどのような仕組みで動くのかを知るためだと思っていますので、従来あったプログラミング教材で当面はOKなのではないでしょうか。

 

プログラミング教育

3年後の2020年度から小学校でプログラミング教育が義務化されます。

私は総論賛成と考えています。

期待する点としては、
●論理的思考の訓練ができる
●PCやスマホがどのように動いているか、その一端がわかる。
●若いうちにやることで、プログラミングに対する拒絶反応を減らせる

逆に心配な面は、
●誰が教える?高校で情報の授業が始まった時も教員が不足した
●物事を考えるベースとなる、国語と算数の授業時間は確保できるか?(英語も始まるのに)
●どんなデバイスを使用する?その予算は?

といったことを現時点で考えています。

最近は子ども向けにスクラッチなどのプログラミング言語(?)も出てきているし、各地で奨学生を対象としたプログラミング教室も開かれています。
10年ほど前に無料ブログサービスが普及する前はHTML言語を学ばないと自分のHPを持つことは困難でしたが、今はWordpressやMovabletypeなどのCMSの発展で、プログラム言語を知らずともHPを作れるようになりました。

今後、ますますPCやITが生活の中に入り込んできて、今やIT技術なしの生活は非常に困難です。

子どもたちが将来、生きる力につながる知識やスキルを身につけるために、手伝えることは手伝いたいなと思っています。

【読書メモ】2時間の学習効果が消える やってはいけない脳の習慣

ニンテンドーDSの「脳トレ」シリーズの監修でもその名が知られている川島隆太氏が監修した、『やってはいけない脳の習慣』を読みました。


東北大学加齢医学研究所の助教である横田氏が執筆し、同研究所の教授である川島隆太氏が監修となっています。

いくつか論点はあるのですが、子育て世代が気にすべき点は以下の二つです。

  1. ゲームもスマホ(特にLINE)も勉強に悪影響
  2. 朝食は食べるべし、それも米やパンだけでなくおかずもつけたい。

特に1は衝撃を受けました。LINEの悪影響はかなり強力で、勉強をしようがしまいが関係なく、成績が下降します。
つまりは、スマホをいじっている時間が長くなって、勉強時間がなくなり、その結果成績が下がるのではなく、仮に勉強時間を確保したとしても成績は下がるということです。
「脳トレ」シリーズも子どもは手を出さないほうがよさそうです。

受験モードに入る受験生が「スマホ断ち」をするのも納得です。
(しかし、LINEをやめても悪影響は残るようです)

 

目次は以下の通り。

はじめに

第1章 学習効果を打ち消す「スマホ脳」の衝撃
―「スマホ・ラインのしすぎで勉強しないから成績が下がる」のウソ

スマホ使用が子どもの認知機能に与える影響の調査結果
家で2時間以上勉強しても、ほとんど勉強しない子と同じ成績になってしまう!
なぜ、2時間の学習効果は消えた?
学力を下げない使用時間の目安とは
たとえ使うのをやめても学力は上がらない!?
なぜ、とくに通信アプリは脳に悪いのか
学校現場でのスマホ対策
小野市の取り組み
宮城県・仙台市の取り組み
スマホの功罪

第2章 MRIで解明! 脳が変形してしまう危険な習慣
―ゲーム、テレビの時間と脳の成長の遅れは比例する!?

ゲームは本当に子どもに悪影響なのか
脳画像を解析! 長時間プレイする習慣で、脳の発達が遅れてしまう
なぜ、テレビを見る時間が長いほど言語知能が低下するのか
上手なメディアとの付き合い方を考える

第3章 脳のやる気スイッチ「線条体」を活動させる方法
―”やらされ感”が学力にマイナス効果になる理由

やる気スイッチはどこにある?
内的動機付け
外敵動機付け
「勉強する動機」で学力に意外な差が!
笑顔は、脳にとってお金やモノと同じご褒美効果
「自分で選んで決めた」「自分ならできる!」と感じさせる働きかけを

第4章 自己肯定感の高い子ほど学力が高い、のはなぜ?
―脳科学で証明!自己肯定感を高める親の習慣とは

自己肯定感が低い子どもたち
自己肯定感と学力は関係する
「家族との約束を守る」習慣で、自己肯定感アップ

第5章 朝食のおかずが増えるほど、脳はよく成長する!
―食、睡眠、親子のコミュニケーションと脳の働きの相関関係

健全な脳は健全な肉体に宿る
1朝ごはんの習慣と脳の発達の関係
朝食を抜くと成績が下がる!?
朝、パンよりご飯を食べるほうが脳は発達する
「主食だけ」はNG! おかずを増やすほど脳の働きはよくなる
2睡眠の習慣と脳の発達の関係
なぜ、睡眠不足は成績を下げるのか
「寝すぎるとバカになる」ってホント?
睡眠時間が長いほど「海馬」は育つ
「一夜漬けは逆効果」が脳科学的に正しいワケ
3家族のコミュニケーション習慣と脳の発達の関係
お子さんの話、どれだけ聞いていますか?
親子で過ごす時間が長いほど、言語能力と脳神経機能が発達

第6章 習慣は、生まれつきの脳力に勝る!?
―脳科学研究最前線

「本を読む子」ほど脳内ネットワークは伸びる
得意・不得意の脳
情報処理速度や記憶力は、持っている遺伝子によって変わる

おわりに