苦労して京大に入った受験コーチ、池田潤さんの著した『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』を読みました。

参考になったことを3つ拾い出しました。

●今目の前にある問題が解けることが大事なのではなく、今目の前にある問題から、他の問題にも通用する原理原則を学ぶことが重要なのだ(p.62)

●普通は、今すぐに欲求を満たすことを考えてしまうのが人間です。
長期的成功を選ぶことができるのは、短期的欲求を満たすよりも、長期的成功を目指すことのほうに価値を見出しているからです。(p.94)

●筋肉があまりに貧弱になっていると、長時間の勉強に耐えることができないのです。(p.111)

 

この本は受験テクニックではなく、勉強に対する心構えや勉強をする目的、勉強に入る前の準備についてがメインテーマです。
勉強本に書かれていて珍しいと思ったのは意識の持ち方についてです。心理学の本や願望実現の本などにはよく書かれれているあれです。

「今、あなたの周りにある赤いものを目を閉じて思い浮かべてください」

というやつです。おそらく、数個しか思い浮かばないと思いますが、あらためて探してみると結構赤いものがあります。

普段は意識してなくても、意識しだすとやたらと目に付くようになるというやつです。
他の例で説明すると、例えば車を買い替えようと思って、2~3車種に絞ります。
普段街を走っていてもその2~3車種がやたらと走っていることに気づきます。

つまりは「何に意識を向けて勉強するのか」が大切だと説いています。
それが「抽象化」、とか「同じ問題は二度と出ない」と言ってます。

抽象化はある程度その分野についての理解がないと難しいと思いますが、高校までの勉強では教科書を読むことでベースの知識は得られるはずなので、頭と時間を使えばだれでもできるはずです。

受験テクニック本のはしり、和田秀樹先生の『受験は要領』で書かれている、「数学は解答を暗記しろ」ということも、問題に出てくる数字や角度をそのまま暗記するのではなく、<解法>を暗記しろということを言っています。

字面だけ見ると、この本と違うことを言っていますが、実は同じようなことを言っています。

究極的にはこのことを得られれば、この本のモトは取れるのではないでしょうか。

2番目に挙げたことは、勉強を始める前の話ですが、将来のことをハッキリとイメージして、そのために勉強が必要であることを理解しなければなかなか続かないということです。

3番目は、最近『筋トレが最強のソリューションである』を読み、やはりでき人はフィジカルコンディションにも気を使っているし、いろいろな評伝を読んでも大組織のトップに立つような人は誰でも最低散歩くらいの運動はしているものだと感じているので、挙げておきました。

中高生や大学生だけでなく、社会人にも有用な内容であると感じました。

 


目次

はじめに

第1章 なぜ、あなたは勉強で結果を出すことができないのか?

勉強で結果を出すことができない理由
4つのスキルを身につけることで、必ず結果は出る
勉強の結果が出ないのは、あなたに才能がないからではない
頭が悪いことにぶち切れて、家を破壊しました
勉強の方法論を知った、これで完璧なはず。しかし……
形だけの勉強をしても、「身になる」勉強にはならない
結果がでないのをDNAのせいにはするな!
方法を変えることで誰もが結果を出すことができる
眠っていた本当の自分を叩き起こせ!

第2章 努力が水の泡にならない「結果の出る」勉強法

どうすれば、勉強で結果を出すことができるのか?
全く同じ時間、全く同じことを勉強しても、結果に差が出るのはなぜだろう?
「車の免許」方式の勉強になっていないか?
「思考停止」で勉強することをやめる
「形式」と「実質」の違いを知る
形式だけの勉強をやめると、得られるリターンは跳ね上がる!
勉強したものと同じものしか解けないという落とし穴に気づく
勉強で結果を出す最大のカギは「抽象化」である
「なぜ思考」であらゆる問題に対応できるようになる
同じ問題は二度と出ないと思え!
「意識」が違うだけで勉強の結果は大きく変わる
「質の高い勉強法×必要な勉強量=望む結果」という公式を覚えなさい
一日のスケジュールを書き出し、無駄な時間を排除する
勉強の時間を増やすには、まずは「やめる」ことを決める
真っ先に勉強予定をスケジュールに書き込め!
発想の転換をして一日の時間の密度を濃くする
形だけにこだわり続ける人生でいいのか?

第3章 結果を出すための「やる気」を高める技術

「願望」×「肉体」×「人間関係」×「考え方」の360度モチベーションメソッド
あなたのモチベーションが上がらない根本的な理由とは?
人間は満たされた環境ではモチベーションが保てない
短期的な快楽に流されない強い願望を持てば、やる気も生まれる
「でっかい願望」がないから勉強も継続できない
どういう人生を送りたいかイメージすると行動が変わる
「3つの時間帯」に目標を眺めてイメージする
行動したくてたまらなくなる願望を創り出す
「願望拡大の旅」に出かけよう
肉体がヤル気に影響を与えているという事実を知る
「歩く」だけでやる気が生まれる!?
筋トレをすることで長期間のやる気を維持できる
人間関係とやる気は密接に関係している
家族が行動へのモチベーションを与えてくれる
途切れることのないやる気を生み出す考え方
「学びフィルター」で考え方は大きく変わる
不満や愚痴のない「やる気満々の自分」になる

第4章 結果を出すための「集中力」を高める技術

集中できなければ、「形だけの勉強」になる
一億総無集中力時代!
「時間のブロッキング」で徹底的に無駄な時間を排除する
「集中力=環境×肉体×技術×感情」という公式を覚えなさい
自分が集中しやすい環境、知っていますか?
肉体の進化が集中力を高める
必ず期限を設けて集中力を爆発的に上げる
脳の異なる部分を使う作業をローテーションする
マルチタスクが「集中力筋」を弱くする
感情が乱れていたら、集中できない
悩みを「顕微鏡」で見ない
とにかく今すぐ感謝する

第5章 結果を出すための「継続力」を高める技術

どうすれば、あなたは勉強を続けることができるのか?
ありとあらゆる「心理的ハードル」を取り除け!
「時間を超スモールステップ化」して自分を載せる
「行動を超スモールステップ化」して「取っかかり」をつかむ
小さな一歩を愛する
どうすれば楽しめるか?を考える
勉強とは本来、面白くてしかたのないものである
「できる」「分かる」が好きを育てる
できること、分かることを積み重ねていく
すぐに結果が出るという淡い幻想を捨てる
私の人生を変えたのは、「継続」することだった
凡人が非凡になる唯一の方法は、「続けること」しかない

おわりに