20歳で起業し学習塾を創業し、いままで3500人以上を指導してきた石田勝紀さんの著書『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』を読みました。

5つの原則とは次のもの。

1.自分とまったく同じ価値観の人はいない

2.強制されたことは、やらない。やったとしても、形だけになる

3.人間には最低3つの長所がある

4.親は市長が止まっているが、子どもは成長している

5.まず、「諭す」。「叱る」「怒る」は非常時のみ

このうち、1,3で気になった点を以下に紹介します。

 

第1原則 自分とまたく同じ価値観の人はいない

人間は、成長の過程において、ある一定の枠にはまっていきます。考え方、行動パターン、表情や感情の持ち方に至るまで、自分の親や兄弟、さらには友人たち、住んでいる環境から自分というものがつくられていきます。

なかでも、最も影響を強く受けるのが家庭であることは言うまでもありません。

子どもが親の影響を強く受けるというのは、もっともなことでしょう。

しかし、自分の価値観を我が子に押し付けてしまう親は多いようです。
本書では、子どもにとって何が「快」であるかにフォーカスし、子どもに「自分で決定させること」を訴えています。

そのための手法として、オープンクエスチョン(yes・noで答えられない質問)を使って、子ども自身が考えるような状況にしたり、あるいは場合によっては放っておく(干渉しない)ことも勧めています。

子どもはストレスから解放されると、その子本来の良さが前面に出てくるようです。

 

第3原則 人間には最低3つの長所がある

この「最低3つ」という部分が重要です。そうなのです、探せば必ず3つは出てきます。これを伸ばすと、人間は「化ける」のです。

なのに、日々目に見える部分、得てして欠点にとらわれてしまって、長所を見ていないというのは、とてももったいないことです。

本書では長所を伸ばす前の3つの事例を紹介していますが、そのうち2つをとりあげます。

●子どもが勉強をしない。しかし絵を描くことは好きでしょっちゅう好きなキャラクターを描いている。

⇒実は、目に見えるこの現象が発生する原因は長期間に渡って作られてきた習慣。

この問題を解決するには3つのステップが必要と書かれています。

STEP1 根本原因は何かを考える→ただし、解明できなくてよい

STEP2 親は「何をすべきでないか」を考える→やるべきことの前にやるべきではないことを考える

STEP3 親は「何をすべきか」を考える→最後に、やるべきこを考える

 

●子どもがゲームばかりやって日常生活に支障をきたしている。とりあげるとキレる。

本書ではゲームでトラブルにならない家庭の特徴を紹介しています。その特徴とは、

ゲームについてのルールがあり、そのルールが守られないときのペナルティがある。そして、そのペナルティを必ず実行している

という家庭です。

話を事例に戻すと、解決案を2案提示しています。

1.なぜ今の状況が問題なのか、冷静に話して、ルールとペナルティを子どもにつくらせる

2.徹底してゲームをやらせる

個人的には2がよいと思いました。

 

この本の著者は一貫して子ども本人の考えを尊重し、本人に解決策を考えさせ、納得の上でその解決策に取り組むよう提言しています。

 

(私の意見)

子育てに関する書籍は多くあります。(このブログでも紹介していきます)

多くの書籍があるのですが、基本的に私は一つのフィルタで読む本をふるいにかけています。そのフィルタは、「予備校や塾の講師など、多くの子どもと接した経験をもつ著者のもの」です。

自分の子どもを3人とも東大にやったとか、塾に通わせずに英語ペラペラにしたとかいう事例はありますが、それはその家庭環境でしかなしえない、つまりは再現性が低いメソッドである可能性が高いからです。

たしかに親が海外在住経験があるバイリンガルなら塾に生かせないでも英語を学ばせることはできるでしょう。裕福な家庭で教育関連費用をじゃぶじゃぶ使えれば東大にも京大にも行ける可能性は高まるでしょう。

しかし、そうではなく、(塾に通わせることができる家庭の子どもという偏りはあるにせよ)異なる家庭環境で育った多くの子どもたちに接する中から導き出された指導方法・メソッドは再現性が高いと私は考えます。

そのような理由から、予備校や塾講師などの書いた書籍を中心に読んでいます。